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元々はアメリカを中心とした海外で有名な都市伝説の怪人「スレンダーマン」。
気に入った子どもをストーキング、または捕まえて連れ去る、精神的ダメージを与えるなど地域によってさまざまなパターンが伝えられています。
異様に細長い胴体、そして手足も人とは思えないほど細長く、それでいてスーツを着用、しかし顔はのっぺらぼうと異様ないでたちのスレンダーマンには部下がいるのですが、こちらはあまり知名度がないようです。

子どもをつけ狙う恐ろしい怪人「スレンダーマン」
スレンダーマンのターゲットになるのは、主に子どもだといわれています。出会うと連れ去られる、精神が病んでしまう、死ぬなどさまざまな話が伝わっています。スレンダーマンの外見的特徴などについては、以下のようなものが伝えられています。
スレンダーマンの恐ろしい外見的特徴
スレンダーマンの外見はその名前が示すとおり、「細身」でさらに「異常に身長が高い」という人の姿をしています。一般的に身長は180cm~3mの間で語られることがほとんど。手足も異常に長いという特徴がります。
服は黒いスーツで、顔色は蒼白、無表情かのっぺらぼうと描写されることが多く、背中には触手が本生えていると話されることもあります。
元々その容姿などに関しては、「不明」と言われているので、話し手によってさまざまな特殊能力や外見があるようです。
能力に関しては、どこにでも「テレポート(瞬間移動)」が可能だそうで逃げるのは不可能ではないかと言われています。
スレンダーマンに合うと死ぬ?
もしも万が一スレンダーマンに出会ってしまったら…。
最悪の場合「死ぬ」と言われていますが、「どこかへ連れ去られる」「精神疾患を患う」といったものがあります。
さらに最近ではスレンダーマンを目撃してしまったときには、「スレンダー症」という症状になってしまうのだとか…。
・記憶喪失
・妄想症
・恐怖にとりつかれるといった精神異常状態に陥る
・咳をすると血が出る
・鼻血が止まらない
あまりにも近距離で出会ってしまった場合、クトゥルーのように「発狂死」するとまで言われています。
スレンダーマンには子分がいた?
スレンダーマンの都市伝説がネットに登場した当初は、スレンダーマンは一人でしたが、噂が広まっていくとさまざまな憶測がささやかれるようになります。
そしてついには、部下がいるという話まで登場しているんです。
スレンダーマンの部下には双子の兄弟で白い仮面をつけた「マスキン」と、黒い仮面をつけた「ホーディー」、そして黄色のゴーグルをつけていて、斧を武器にしている「トビー」というキャラがいます。
マスキンはケーキ好きらしく、スレンダーマンの命令に忠実、ホーディは相手の上から襲い掛かり、基本的に鈍器や石で殴りつけてきます。トビーはワッフル好きで普段はマスクで隠していますが、口が半分避けているという特徴があるんです。
しかしこの3人、それぞれの生い立ちのようなストーリーを見かけることはできるものの、実際にスレンダーマンと一緒に行動していたり、スレンダーマンの命令を実行したという話は聞いたことがないんですよね。もしかしたら海外の方でそういった話が噂されているのかもしれませんが…。
スレンダーマンにまつわる事件が起こっていた!

2015年5月末日に、アメリカのウィスコンシン州で、スレンダーマンを妄信していたモーガン・E・ガイザーとアニサ・E・ワイヤーという12歳の少女が、2人の同級生の少女をスレンダーマンへの「いけにえ」にしようと殺人事件を起こしています。
モーガンとアニサはこの被害者少女を殺害目的で森に呼び出し、押さえつけて持参していた刃わたり13cmほどのナイフで、体をめった刺しにしたのです!
体を19ヶ所も刺されていたのですが、1つは心臓から1mm未満というギリギリの位置に傷が付けられていたそうで、2ヶ所は主要臓器を傷つけていたのだとか…。
よほど肝が据わっていたのか、この2人は被害者少女が大量の出血によって動かなくなるまで見届けたうえで、「助けを呼びに行く」といってそのまま放置して自宅に帰ります。
しかし同級生が、何とか自力で道路まで行ったところで、たまたま通りかかった自転車に乗っていた人物に発見されたため、事件が発覚します。
モーガンとアニサは州間の高速道路近くで逮捕されたのですが、同級生を襲ったときに使用していた刃物は持ち歩いていたそうです。
犯行の動機は驚くべき理由だった!
モーガンとアニサが被害者少女を襲った理由は、世界を震撼させました。
「スレンダーマンに認めてもらい、手下になりたかった」
こう、2人は語ったそうです。
2人の親や学校の教師の話では、スレンダーマンを信じていた2人は、周囲から浮いてしまいいじめを受けていたのだとか。
「誰かを殺して認めてもらえれば、手下にしてもらえてスレンダーマンと一緒に暮らすことができる」
こんな妄想を2人は膨らませ、実行してしまったんです。
さらには誰かを殺さないと、自分たちの家族がスレンダーマンに襲われるという被害妄想にまで憑りつかれていたのだとか…。
クラスで孤立したりいじめがなければ、2人の妄想はここまで膨らむことはなかったのかもしれません。
判決は妥当だった?
海外では日本と異なり、殺人などの重犯罪に関しては子どもでも容赦なく罰せられます。
逮捕直後、2人は精神障害によって「心神喪失状態だった」と主張し、無罪を訴えていたそうです。さらにはお互い計画を立てたのは自分ではないと相手に罪を擦り付けようとしたのだとか…。
ただ、2人は被害者少女に対し、「事件を起こしたことを後悔している」と、謝罪をしたそうです。
モーガンに関しては「司法取引」に応じ、罪を認めたことで精神疾患などを理由に無罪が言い渡されていますが、精神科医による診療を受けていたことから、40年間、精神病院に収容という判決も言い渡されています。
被害者少女は精神的な傷も負っている
同級生は事件の6日後には退院したのですが、復学したのは2014年秋と、回復までかなりの時間を要したようです。しかし傷は、目に見えない形で同級生に襲い掛かります。
同級生は怪我の治療のため6回もの手術に耐えていたそうです。さらに同級生で友人だと思っていた人物に刺されたことから、心のダメージは相当なものだったとか。
判決が下った後も、少女が「不安」や「恐怖」といった感情に苦しんでいるそうです。
スレンダーマンを呼び出す方法があるってホント?
日本ではあまり話題になっていませんが、スレンダーマンを呼び出す方法があるという都市伝説が海外にはあります。
・必要なもの:紙(大きさはご自由に)とペン
・あれば子ども用のおもちゃや子供服
1.用意した紙に棒人間でもよいので、スレンダーマンと思われるイラストを描く
2.紙の上部に「ven shoo slender man」という文字を書く
3.子ども用のおもちゃや洋服を側に置き、部屋の電気を消す
4.火をつけたろうそくと紙を持って、呪文を唱える
呪文に関しては調べたのですが不明です。
実際にこの呼び出し方で何が現れたりはしなかったものの、異様な雰囲気を感じたり、体調が悪くなったという人もいるので…。
もしもこの方法を行う時は、「自己責任」で行ってくださいね。
スレンダーマンは作り話?
インターネットの普及により、海外から日本へ伝わってきたスレンダーマンですが、実は作り話ということがはっきりとわかっているんです。
「不気味な存在が写っている」などと、いかにもスレンダーマンが実在しているかのような写真もありますが、あれも作り物です。
元々は2009年6月に、海外の巨大掲示板サイト「サムシング・オーフル・フォーラム」の中にある「create paranormal images through Photoshop」というスレッドがきっかけなんです。
このスレッドに「ビクター・サージ」という人物がごく普通の子どもが遊んでいる画像に、スレンダーマンの元となる、「長身で細身の黒い背広を着た人物」を描き加えて投稿したものです。
一番初めの投稿では画像だけだったそうですが、その後サージ自身が子どもが誘拐される場面を見たような書き込みを行って、「スレンダーマン(痩せた男)」という名がつけられました。
ちなみに「スレンダーマン」という名称は、2010年1月に「著作権登録」されています。
しかし事件を起こした少女たちのように、実際にスレンダーマンがいると思い込んでしまっている人がいるのも事実です。
スレンダーマンはたちまち人気の都市伝説の怪人に!
サージがネットに創作したスレンダーマンネタを投稿したところ、なぜかは分かりませんがスレンダーマンは大人気になり、ファンアートやコスプレをはじめ、「Creepypasta(クリーピーパスタ)」という、想像上の都市伝説を扱うサイトでも紹介されるようになります。
サージがスレンダーマンに命を与えてから5ヵ月後には、アメリカで陰謀論や超常現象ネタを扱うことで有名なラジオ・トーク番組でスレンダーマンに関する質問が寄せられたほどです。
スレンダーマンが元になっている映画が作られている!
📽️オススメレンタル📽️
『#スレンダーマン 奴を見たら、終わり』
史上最恐の都市伝説「スレンダーマン」が、待望の映画化‼️
アメリカ、マサチューセッツ州の小さな町。
昔から仲の良いレン、ハリー、クロエ、ケイティの4人は
ある夜、巷で噂の都市伝説「スレンダーマン」を呼び寄せる動画を見てしまう… pic.twitter.com/bnvHeTIx3j— GEO(ゲオ)名古屋大須店 (@geo_osu) 2019年2月10日
近年は日本だけでなく海外でも映画ネタ切れなのか、都市伝説をテーマにした作品が多く登場していますが、スレンダーマンも例外ではありません。
2013年ころには、インディーズ映画界でスレンダーマンをテーマにした作品が流行っていたのですが、作品としてはいまいちなものばかりでした。しかしその中でも人気のあった「Slender Man」という作品が、YouTubeに2013年2月20日にUPされ、まだ視聴することが可能です。
ただセリフが外国語で日本語字幕や吹替はないという欠点があります。
しかし言葉がわからないまでも、最初から視聴していれば何となくストーリーも理解できますし、想像力が働いて面白いですよ!
この他には2015年にはアメリカ作品で、「スレンダー 長身の怪人」、2018年にはアメリカ作品の「スレンダーマン 奴を見たら、終わり」などが公開されています。
どちらもDVDがありますし、動画視聴サイトでもタイミングによっては扱っていることがあります。
過去にはゲームにも登場している
スレンダーマンは映画だけでなく、過去には敵キャラとしてゲームにも何度か登場しています。
「Slenderman the Game(2011年)」や「Slender:The Eight Pages(2012年)」をはじめとしてさまざまなゲームで登場しているのをご存知でしょうか?
ゲーム実況ユーチューバーの「弟者」さんが実況している、「スレンダー The Arrival」の動画を観たことがあるという人も多いと思います。
興味がある人はぜひ動画を見てください。
自分ではプレイ不可能でも実際にゲーム画面を見ることができますし、弟者さんの実況もなかなか面白いですよ!
またスマホアプリでも「Slender Man! Chapter 1:Free」というゲームがあり、こちらは海外のゲームアプリですが、無料でプレイできます。
空想上の怪人なのに目撃談が続出している?
元は作り話と都市伝説に詳しい人の間ではネタバレしているスレンダーマンですが、2015年にはなぜかイギリスで目撃が相次いでいました。
スタッフォード州・カノックチェースという地域で、スレンダーマンらしい怪物を目撃したという人物が相次いでいたのです。現在は沈静化しているようですが…。
この地域では「ブラックアイキッズ(BEK)」や「ピッグマン」と言われる正体不明の存在が、森の中で目撃されているUMA出没地帯ともいえる場所で、オカルト好きの間では注目されています。
しかしこの地域で目撃されているスレンダーマンらしき怪物は、「黒い色で非常に痩せている。目は血のように真っ赤でビクトリア朝時代のようなスーツを着ている」というもの。
スレンダーマンはのっぺらぼうだと言われていることが多いですが、この地域に出没していたスレンダーマンは「無表情」タイプで顔があったのかもしれません。
その他にも目撃談の中には「空中に浮いていた」、「口の中にカミソリみたいな鋭利な歯がぎっしりと詰まっていた」というようなものまであります。
多くの目撃者は「目を開いたまま金縛り状態になった」という発言もありますが、発狂したりスレンダー症になったという報告はないようです。
日本でも都市伝説はさまざまなものがありますが、口裂け女のように騒動になったものあはるものの、殺人未遂や死者が実際に出たという事件はありません。
精神的に未熟な子どもや、思い込みの激しい人だと作り話をさも本当のように話ししてしまえば簡単に信じてしまう可能性があります。またインターネットが一般家庭に普及したことで、ネットの情報が全て本当だと鵜呑みにしている人も、ネットで広まった都市伝説を本当だと信じやすいのではないでしょうか?
ネット上に真実と思えるようなフェイク画像や作り話しがあふれています。自分自身で何が本当で何が嘘なのか、きちんと現実と突き合わせて考えなければ、危険なので自分で考える力を付ける必要がある、ということでしょう。
しかし。
もしかしたらゲームの世界のように、人々の創造力が本当にスレンダーマンという存在を作り出してしまったのかもしれません…。